2023/11/16 07:54
テイスティングコメント
清冽で透明感のある香り。
洋梨、西洋花梨の豊かな印象に、鼻に抜ける爽やかなスダチなどの柑橘が華やかさを添える。
スイカズラの甘やかで品のある花の香りも漂う。
酒器を揺らし、少し液体をほどいていくと、奥行きが顕れて複雑さをもった旨味のニュアンスが顔を出す。
口いっぱいに広がる上質な酸味、
中盤から広がる芯がしっかりしたミネラル感じる旨味が、口中だけでなく、体に染み込んでいくように深く深く沈み込んでいく。
そして全体をまとめるのは岡谷の水。力強くも優しい水がさまざまな要素を包み込む。
長野県産の親子関係にある酒米、
山田錦、高嶺錦、金紋錦、
三種ブレンドによるアート。
折り重なる味わい。
研ぎ澄まされたひとしずく、
凛とした官能がここにある。
質の高さは余韻にあらわれる。
深く上質な旨味は、出汁を使ったお料理と是非。
おでん、茶碗蒸し、はまぐりのお吸い物。
お刺身なら、真鯛の昆布締め。
発酵料理とも抜群の相性で、鮭の西京焼き、野菜のぬか漬けと幅広い。
脂が乗った食材とも相性が良く、
うなぎの白焼きと合わせると脂の旨味が引き立ちお互いを引き立たせてくれる最高のペアリング。
胡麻豆腐や、あん肝、はたまたミモレットなどのチーズとも相性が良いのはこのお酒の底力と器の広さを感じさせてくれる。
おすすめ酒器
ワイングラス(白ワイン用)
うすはりグラス
口の薄い陶器製酒器
など。
大吟醸の清冽なキャラクターを生かすには、厚みがあるタイプではなく繊細で凛としたものがおすすめ。